大阪府羽曳野市立高鷲南中学校様では、「だしの魅力を探る冒険」をテーマに、2025年1月27日から31日に、かつお節削り体験、飲み比べ体験、かつお節を使った調理体験学習を行いました。この授業は生徒たちが自分ごととして食品ロスの課題に取り組み、消費者として何ができるのかを考え、よりよい社会の実現に向け行動する力を育むことを目的として、教科横断的に食に関する指導を実施したものです。知識の定着だけでなく、生徒の思考力や行動意識を評価できるよう工夫されています。
実践の模様をレポートいたします。


「今日はだしの魅力を探る冒険に出かけます。」とスタート時に伝えた後、生徒に「だしって何のことか説明できるかな?」と問いかけました。家庭科で事前学習をしている生徒たちは「みそ汁に入っているもの」「昆布とか、かつおぶしとか?」「和食に欠かせないもの」「おいしさの秘密」「うまみ」と、口々に言い、これから始まる体験授業にわくわくする様子が見られました。


いよいよだしの正体に迫る「かつお節削り体験」です。
初めて見る「かつお節削り器と本枯節」に興味津々の生徒たち。なかなかうまくできず苦戦している生徒も、削っていくうちに、だんだんとコツをつかんだ様子。「やったー。粉から普段食べてるかつお削り節に変化した!」「めっちゃいいにおいするやん。」「一番美味しいだしを取るために協力しよう。」「角度と力加減が大切。」など、それぞれが自分で初めてできた喜びを感じ、楽しんでいました。


続いて「だしのおいしさを五感で感じる体験」です。
削りたてのかつお節の香りを感じながら、味噌湯と味噌湯+かつお節の飲み比べをしました。味噌湯は「薄い」「なんか物足りない」と言っていた生徒たちも、削ったかつお節を加えると、「全然違う!」「うまみがすごい!」「味に深みが出た!」と、だしの力をしっかりと感じ取っていました。



いよいよ「一番だしを取る体験」です。
さらに、ヤマキ株式会社さんのレシピを参考に、「焼きおにぎりのだし茶漬け」を作りました。澄んだ「黄金色のおだし」を見るのも初めての生徒が多く、「わあ!きれい」という声が、あちこちから聞こえてきました。
お米とだしの相性バッチリ!究極の「焼きおにぎりのだし茶漬け」が完成しました。
【先生の感想】
普段何気なく食べているかつおぶし。
かつおが丁寧にさばかれ、煮沸・骨抜き、繰り返し燻される工程で、多くの人が関わっていることを知り、驚く生徒たち。さらに、手作業で骨を1本1本抜く作業には、衝撃を受けた様子でした。
かつお節を削る体験は、「人生初めての体験!」といった生徒が多く、しかも、見るのも触るのもまれな本枯節です。削り始めはかつお節が粉々になり悪戦苦闘する様子も見られましたが、削る面積が大きくなり手慣れてくると、満足できる削り節がたくさん出来、歓声の声があちこちから聞こえてきました。
かつお節削り体験、飲み比べ体験、かつお節を使った調理体験学習は、生徒の五感を刺激し、探求心を育む素敵な時間でした。これぞ、だしマジックですね。
【かつおぶしクッキングの振り返り】



【生徒の感想】
・だしが和食を支えているんだなと思いました。
・だしの魅力を伝えていきたいです。
・日本の食文化をもっと知りたいと思いました。
・他の国にはないような食材の味を生かした美味しさがあるんだなと思いました。
・だしは上品な味わいで優しいな、健康に良いなと思った。
・日本特有の暖かさを感じました。
・だしがあることで味が深くなることを実感した。だしの良さを発信していきたいです。
・だしは日本の誇れる食文化の一つですね。
・だしが大好きなのでこれからもたくさん食べたいです。
・家でもかつお節やだしを使った料理を作りたいと思いました。
【羽曳野市市立高鷲南中学校様公式サイト】
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